ホッコの部屋

気の向くままに書きます。夜空のようにおおらかに。

ボカロ曲がCMに使われた日

 

トヨタのハイブリットカー「AQUA」といえば、心地よいピアノサウンドのCMを思い浮かべる方が多いでしょう。

そんなCMに今日、新たなバージョンが仲間入り。初めて聞いたときは自分の耳を疑いました。

いや、だってボカロ曲の定番ともいえる千本桜がピアノアレンジされてたわけですから。

そこでネットで「AQUA CM」と調べてみるとぞろぞろ出てきましたよ。千本桜を非難する声とか。

こればかりは人それぞれ好みというものがあるのでしょうがないといえばしょうがないんですが、

それにしてもボカロ曲全般への叩きっぷりはちょっとひどいと思う今日この頃です。

 

 

参考程度に原曲を載せておきましょう。

奇しくも今日、CMのオンエアと合わせるかにように再生回数が1000万を突破しました。

あくまで余談ではあるんですが、これって純粋にすごいことですよね。

ボカロは機械が歌ってくれるので人が絶対に歌えないようなものを打ち込む人がかなり多いんですが、

その中でこの曲は歌詞とメロディーのバランスが釣り合っていて比較的聴きやすい部類と言えます。

そんな曲を多くの人がボカロ曲であることを理由に非難するのは悲しいことです。

 

 

最近のトレンドといえばやはり「カゲロウプロジェクト」と呼ばれる楽曲群だと思います。

小説や漫画にも進出してその名を轟かせている点は評価できるんですが、

肝心の曲はというと…この際正直に言わせてもらうとあまりよろしくありません。

演奏専門かつ作曲のオーディションで何度か入選している立場からの意見ではありますが、

まず曲中で静かな部分がほとんどないので曲のメリハリが生まれない。

カゲプロに詳しい人は気にかけないでしょうけど、私のように無知な人だと聞いていて退屈でしかたがない。

そして歌詞を最優先しているためかメロディーが不自然。さらに声のトーンが高すぎる。

これらをまとめると「音楽的な部分が足りない」ということ。これは多くの音楽家からしても同じでしょう。

このような曲が表に出回っていることが余計にイメージダウンに繋がっているのかなぁと思ってしまいます。

カゲプロ好きな方には本当に申し訳ないことを書いてしまいましたが。

 

 

ボカロはさまざまな人が使っていることもあり、そこから生み出される曲もさまざまです。この曲もその一つ。

PV映像だけ見ると「やっぱりか…」と思われそうな気がしなくもないんですが、

曲はボカロ曲とは思えないぐらいハイクオリティ。そしてイントロが素晴らしく長い(笑)

ボカロでは鼻そうめんP、頭文字をくっつけて通称HSP名義で活動してるこの人ですが、

実はイラストレーターやアニメーターも務めているかなりすごい人なんですよ。

この他にも知られざるボカロPはたくさんいるのです。

 

先ほど千本桜を「比較的聴きやすい部類」と評価しましたが、実は致命的な欠点があります。

これも人それぞれの受け止め方によるでしょうけど、歌詞にストーリー性が感じられないのです。

分かりやすく言うとバラバラの歌詞を無理やりくっつけました的な感じ。

曲そのものはかなり良いのに歌詞でかなり損をしてるようにさえ思えます。

その反面、カゲプロは小説などが出てるぐらいですから歌詞にもストーリー性がしっかりと出ています。

今は歌詞がメロディーを操ってる状態なので、これが逆転するように歌詞を磨いていくのが今後の課題ですね。

 

ボカロに詳しくない人はどうしても有名どころの曲しか聴かないことが多く、

なおかつ先入観で判断してしまうのでそこで「あ、無理」って感じになってしまうんでしょう。

そして表に出てくるほど知られていない曲を聴くことなくボカロ離れを起こしてしまう。

しかも一度名を上げたらそこから芋づる式に知名度が上がっていき、

あまり大したことのない曲でも周りから過大評価されてしまうというのが現実です。

その下でたとえ良い曲を作っても評価されにくいボカロPが一番損をしているようにさえ思えます。

私は小さい頃から音楽関係の仕事を目指していたので作曲は容易にできます。というか現に作曲中です。

それだけに今のボカロ界は非常に歯がゆい。自分がどうにかしたいという思いでいっぱいです。

しかし、いくら技量があったとしてもその将来を左右するのはやはり運。

こんなことを私が書いても状況が変わることはなく、意味が無いに等しい。それが悲しいのです。

 

ちなみに、日記を書きはじめた時点でCM動画の再生回数が1000あまりだったんですが、

書き終えてからもう一度見ると25000回近くまで伸びてました。良くも悪くも注目っぷりがよく分かります。

 

 

最後に私のお気に入りを意味なく紹介しておきましょう。

まももPさんの「夏と陽光と散歩道」。日記で紹介した曲の中ではダントツに知名度が低いです。

もう少し調声が上手くできないのか、などなど気になる所はなくもないですが、

逆に言うと気になる所がそれぐらいしかないんですよ。それだけ完成度が高い曲なんでしょう。

そして原曲がピアノということもあって、この曲こそAQUAのCMに合ってるようにさえ思えるぐらい。

私はこのような音楽的に評価できる曲がもっと表に出てほしいと願うばかりです。

 

いつか、知られざる良曲が一般に浸透しますように。