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ホッコの部屋

気の向くままに書きます。夜空のようにおおらかに。

続・プレアデスと私

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もしかしたら勢いで全部読んじゃうかもしれない。

…と最後に付け加えようと思って、やっぱりやめておいた昨日の日記。でもやっぱり最後まで読んじゃった。「思い出したときにでも…」とは書いたものの、わけもなく待つぐらいならさっさと読んだらいいのに、という自分の本心につられて。それも夜中の3時に(笑)。

 

*  *  *

 

アニメ版ではプレアデスのことを「背景の空がすごくきれいで5人組に癒される物語」だと思っていたけれど、もう一人の主人公、みなとくんの視点で描かれたこの本は「現実が辛すぎてみなとくんがかわいそうになる物語」というまったく違った印象。買う前にさらっと見た某密林のレビューでは「描写が丁寧すぎてアニメに違和感を覚える」なんて書き込みがあって、まさにそれだなぁと思ったのです。アニメ版はさっき書いたように背景がすごく作り込まれているし、音楽も要所要所でいい雰囲気を引き出せている。何よりも5人組、特にすばるのリアクションがいちいちかわいくて仕方がない。それに対するみなとくんは他の子たちと平然と付き合い、平然と戦っているように見えていた。けれど、あのみなとくんにこんな悩みや葛藤があったなんて…

アニメは12話で完結していて、5人組のそれぞれの心を丁寧に描いていたけれど、みなとくんのそれは1人分どころか5人組を合わせたぐらいの濃密さ。300ページほどを6、7時間ぐらいで読み終えてから、ようやく放課後のプレアデスというストーリーが完結したかのように思えました。みなとくんだけでこれだけの分厚い本ができてしまうんだから、他のキャラクター…あおいちゃんとか、あるいはエルナト視点の本だって作れちゃうような気がします。もっと言えば、この本を軸にみなとくん視点のプレアデスのアニメだって作れちゃいそうだけど、たぶんどちらも実現しなさそうなのがちょっともどかしいですね。

 

*  *  *

 

ところで、すばるがみなとくんのもとに何度も会いにくるとき、本の中ではまるですばるが出て間もない頃にまたやってきた…と思わせられるかのような描写。それに、どんなに長い時間に対してもみなとは「ほんの一眠りだ」と言っているのです。確かに、私の場合は寝ている間は時間を感じることはないし、それが長いのか短いのさえも感じない。突然意識を失ったとしても取り戻すまでの時間は感じないのかもしれない。今まであまり考えたことはなかったけれど、意識がない間は「時間概念が存在しない次元」に無意識にシフトしていて、取り戻すときに元の次元に戻ってくる、ということも考えられなくはないような気がします。実際、意識を失った死後は時間を感じることはおそらくないだろうし、一生を終えるということは「時間概念が存在しない非可逆的な次元」にシフトする瞬間を指している、と考えることも。夢の世界と現実の世界が複雑に絡まり合うことで、そんな可能性さえ考えさせられてしまう。改めてプレアデスの物語の深さを思い知ったのでした。

YouTubeのおすすめ動画からはじまり、アニメ版を経て、最後にたどり着いた「みなとの星宙」。作中にも出てくるように、これも何かの運命。不思議な導きに感謝しながらも、すでに読み終わった今日もパラパラとページをめくってチラ読みしたりしています。